家族信託・民事信託、任意後見
目次
家族信託・民事信託とは
信託というと、アレか、ということになると思います。
おそらくは、信託業者があなたの資産を運用する、投資信託などを思い浮かべるのではないでしょうか。
これは、商事信託というものです。
家族信託・民事信託は、これとは異なり、あなたの財産の今後の管理方法や承継方法を、自由に定めることができるものなのです。
日本は契約社会です。
認知症になったりすると、契約が締結できない以上、資産は原則、凍結状態となります。
また、遺言を書けば、誰に財産を残すか決めることができますが、次の次の相続人を決めることができないなどの不便さがあります。
認知症になれば、遺言の書き換えはもちろんできませんし、財産の凍結の恐れや事業活動の停止の恐れはなくなりません。
実は、認知症患者は、2020年には65歳以上の高齢者の6人に1人が認知症患者となっています。
また、おひとりさま問題、後継者不足の問題や空き家問題など、相続に絡む問題も山積みです。
さらには、あなたがオーナー社長で、すべて一人で意思決定を行っていた場合に急病で倒れたらどうなるでしょうか?
銀行も取引業者も、契約をすることができなくなってしまいます。
そんなときどうしますか?
ご自身がいずれその立場になるかもしれないとしたら、あなたならどうしますか?
何ら対策なく認知症になると、財産管理や介護などの生活面(身上監護といいます)が、見も知らぬ専門家に任されてしまうことが多々あります(この仕組みを、「成年後見制度」と言います)。
しかも、月2~6万円(高額の資産をお持ちであれば10万円越えもあり得ます。)の報酬を払っていかなければなりません。
その専門家は、裁判所の監督の下で、原則としてあなたの財産が減らないように働かなければなりません。
皆が皆そうではないのですが、残念ながら、ご本人の意思に沿うように資産を有効活用できない専門家が少なからずいることも事実です。
近い将来、成年後見制度は柔軟な対応が可能なように運用改善がなされる、との見通しもあります。
これによって、認知症発症後、施設入居費用の捻出のため自宅を売却することができるようになるかもしれません。
これ自体は、画期的なことです。
しかし、例えば、売却金額が施設入居費用よりも高額で、手元にお金が残った場合、成年後見人が従来のとおり、裁判所監督のもと、ご本人の意思に沿う資産の有効活用をできないケースはなくならないのではないでしょうか。
また、認知症発症後、誰かの財産を相続で得ることになったら、これも大変です。
土地などは、法定相続分のとおり、共有となってしまいます。
共有状態のお土地が有効活用できるでしょうか。
オーナー社長が倒れたら、株主総会が開けず、また代表取締役を欠くこととなり、重要な意思決定ができなくなります。
子どもたちが住む意思のない空き家が残ってしまったらどうしますか?
家業を引き継いでくれる後継者がきちんと相続できるよう対策は取っていますか?
家族信託(民事信託)は、それらを解決するための一つのツールとなります。
この制度の利点は、
あなた自身の意思で、
あなたが信頼する人に、
あなたの財産の今後の管理や承継を託すことができる
というところにあります。
そこに裁判所の監督などは入りません。
もちろん、裁判所の監督がないことから、きちんと信頼できる人に託す必要はあります。
家族信託(民事信託)をにわ法律事務所に相談する利点
私は、一般社団法人ふぁみりーサポートひなた の代表理事を務めております。
「ひなた」では、上記の問題を家族信託(民事信託)で解決することに取り組んでおります。
「ひなた」の特徴は、
- 税理士
- 司法書士
- 行政書士
- 弁護士
がフラットな関係で理事を務めることによって、上記の問題についてトータルサポートを行うことができる点にあります。
家族信託(民事信託)の手続きの流れ
①まずは、じっくりと聴き取りを行うことです。
ご相談自体は、お子様からなされることもありますが、当然のことながら、ご本人の意思を時間をかけて確認することが必要です。
この時間を省いて、とりあえず早く信託を行おうとするのは、ご本人の意思確認のプロセスをないがしろにしてしまうことになります。
②ご家族や信頼できる方を含めた打ち合わせを行います。
信託は、ご本人が、信頼できる人に、自分の意思のとおり財産の管理・承継するよう託すことですから、ご家族や信頼できる方との綿密な連携が必要です。
ここをおろそかにすると、後々トラブルが発生することになりかねません。
③信託契約を締結します。
ご本人と、信頼できる方との間で約束(契約を締結)します。
信託契約書の作成は、専門家がお手伝いします。
約束事を決めた文書(契約書)は、きちんとした形である公正証書として作成するのが良いでしょう。
④その後を「ひなた」が見守る。
信託契約書を作成した専門家集団が、あなたやあなたのご家族、信頼できる方のお悩みに寄り添い、解決のお手伝いをいたします。
⑤「ひなた」は法人なので、契約書を作成した専門家が死亡していても安心です。
契約は100年もの長きにわたって継続する場合もあります。
「ひなた」は法人なので、間断なく継続的にお手伝いすることが可能です。