遺言書を隠匿されていたため、遺言執行が不可能となりました。
ご相談
遺言書の保管者が、家庭裁判所、遺言執行者、相続人それぞれに派遣場所などが全く異なる回答をしております。
遺言書は昭和53年に作成し、遺言者は平成8年に亡くなり、遺言書検認を受けたのが、令和6年です。
遺言者の遺言書の財産は処分されており、遺言者の真意が実現できない状態です。
遺言執行者は、遺言書の隠匿であるか否かの事実調査をする義務はないのでしょうか。
回答
そもそも、遺言の執行が不可能な場合と存じます。
その場合、就任した遺言執行者は、遺言の内容が執行不能であることを確認し、その事実を相続人や関係者に報告する義務があります。
他方、執行不能である以上、隠匿の有無についての調査義務はありません。
隠匿者に対する責任追及は、遺言執行者の責務ではないからです。
ご自身で、隠匿を立証し、損害賠償請求するほかないと思われます。
追加情報
遺言書を隠匿した場合、以下のようなペナルティがあります。
1.相続欠格
遺言書を隠匿した者は相続人となることができなくなります。
これにより、相続権を完全に失うことになります。
2.刑事罰
遺言書の隠匿は「私用文書等毀棄罪」に該当し、5年以下の懲役刑が科される可能性があります。